公的な保障制度を覚えておこう!

情報更新日:2015年3月25日

あなたも「公的な年金制度」に加入しているはず!

日本には公的な社会保障制度として「年金制度」や「健康保険制度」があります。国民年金は「日本国内に住所のある20歳以上60歳未満のすべての人が強制加入」しなければならないことになっています。また、健康保険制度も「国民皆保険」といって必ずどこかの健康保険制度に加入しなければならないことになっています。おそらくあなたも加入しているはずです。

「遺族年金」を知っておこう。

家族の大黒柱であるご主人が死亡した場合、残された家族に支払われる公的な保障制度のひとつに「遺族年金制度」があります。この遺族年金とはどのようなものなのか、あなたはご存知でしょうか。そして万が一の時に受取ることができる金額とは、どのくらいなのでしょうか。
遺族年金の支給額は、加入している社会保障制度や家族構成によって受取れる金額が違ってきますので、まず、ご主人の加入している年金制度を確認してみましょう。

代表的な年金制度には「国民年金」「厚生年金」「共済年金」があります。

  • 「国民年金」 自営業の方などが加入
  • 「厚生年金」 サラリーマンなど会社勤めの方が加入
  • 「共済年金」 公務員の方が加入

代表的な年金制度としてこの三つがありますが、おそらくどれかに加入しているのではないでしょうか。
年金制度で厚生年金や共済年金は「二階建ての手厚い年金」と言われますが、遺族年金についても、国民年金の場合と厚生年金や共済年金では、かなり違いがありますので注意が必要です。

遺族年金「国民年金」と「厚生年金」で比較してみる

もらえる遺族年金は次のようになります。

国民年金 遺族基礎年金
厚生年金 共済年金 遺族基礎年金 + 遺族厚生年金 + α

ご主人が加入している年金が
「国民年金」ならば、受取れる遺族年金は「遺族基礎年金」のみ。
「厚生年金」なら「遺族基礎年金」+「遺族厚生年金」+ α を受取ることができることになります。

それでは、その「差」は どのくらいなのでしょうか?
・・その前に、「遺族基礎年金」とは どのようなものなのでしょうか。


遺族基礎年金について

当サイトでは、法律ことばをなるべく使わずに分りやすく表現することを心がけています。また、ややこしい表現を大雑把に丸めて表現している箇所もありますので、正確性を求める場合は、日本年金機構の公式サイト-遺族基礎年金をご参照ください。

それでは改めて「遺族基礎年金」とは どのようなものなのでしょうか。

遺族基礎年金の年金額

年金額は、年度によって変わる場合ありますのでご注意ください。

平成26年4月分からの年金額は、772,800円 + 子の加算 となります。

子の加算額が、第1子と第2子は 各 222,400円
       第3子以降は  各 74,100円 です。

遺族基礎年金の対象者

まず、「遺族基礎年金」を受取れる対象者は誰なのか?ってことです。

これは、(1)子のある妻  (2)子  となっています。

「子」とは、18歳到達年度の末日(3月31日) つまり「高校生まで」ということです。

例えば、残された家族が

妻と高校生と中学生の子供の場合

最初は遺族基礎年金に子の加算は二人分ですが、上の子が高校を卒業した後は、子の加算は一人分になります。そして下の子が高校を卒業した3月で遺族基礎年金の支給は終了します。

妻と子供二人 年額 1,217,600円
妻と子供一人 年額  995,200円
下の子が高校卒業  0円 遺族基礎年金の支給終了

残された遺族が子供だけで二人の場合

遺族基礎年金に子の加算一人分として支給され、上の子が高校を卒業した後は、下の子に遺族基礎年金のみ支給され、子の加算はなくなります。

子供二人 年額  995,200円
子供一人 年額  772,800円
下の子が高校卒業  0円 遺族基礎年金の支給終了
遺族基礎年金が支給されない例

子供のいない夫婦の場合

遺族基礎年金は、子供のいない夫婦の場合、夫が亡くなっても妻に年金は支給されません。

年金に加入している妻が亡くなった場合

「子のある夫」には支給されません。子供がいても父親と一緒に暮らす場合は支給されません。母子家庭などで母親が亡くなり子供のみになった場合は「子」に支給されます。

加入している年金が「国民年金」ならば、受取れる遺族年金はこちらの「遺族基礎年金」のみということになります。

しかし、「厚生年金」に加入している場合は、「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」を受取ることができます。

それでは次に、その「遺族厚生年金」とは どのようなものなのか、みていきましょう。

遺族厚生年金について

厚生年金に加入している場合は「遺族基礎年金」+「遺族厚生年金」を受取ることができます。

遺族厚生年金は、遺族基礎年金のように一律金額ではなく、厚生年金に加入していた人の所得や加入期間などで支払われる金額が変わってきます。当サイトではザックリと解説していきますので、詳しくは、日本年金機構の公式サイト-遺族厚生年金をご参照ください。

それでは「遺族厚生年金」についてザックリとみていきましょう。

遺族厚生年金の年金額

遺族厚生年金は一律金額ではないので一概には言えないのですが、それでは話が見えてきません。おおよそこのくらいという感じで話をすすめていきたいと思います。

遺族厚生年金は、夫がもらうであろう老齢厚生年金の3/4くらいの額になります。では、その額はいったいいくらくらいなのでしょうか?

平均標準報酬月額(月給) 遺族厚生年金の受給額 おおよその年額と月額換算額
25万円  約 40万円 / 年 (33000円/月)
30万円  約 48万円 / 年 (40000円/月)
35万円  約 55万円 / 年 (46000円/月)
40万円  約 63万円 / 年 (52000円/月)
45万円  約 71万円 / 年 (59000円/月)
50万円  約 78万円 / 年 (65000円/月)

遺族厚生年金の対象者

「遺族厚生年金」を受取れる対象者は、
・配偶者(妻30歳以上、夫55歳以上)は再婚しなければ一生涯受給することができます。
子のいない30歳未満の妻は、5年間の支給で打ち切りになります。また、厚生年金加入の妻が亡くなった場合、夫が55歳未満の場合は支給されませんが、高校生以下の子供がいる場合は「子」に支給されます。

配偶者や子の対象者がいない場合は「父母」「孫」「祖父母」が受給の対象となります。

中高齢寡婦加算とは・・

「遺族厚生年金」にはプラスアルファの特典のような制度があります。それが「中高齢寡婦加算」(ちゅうこうれいかふかさん)です。
対象となる場合、40歳から65歳になるまでの間、年額 579,700円(平成26年4月分からの支給額)が加算されます。

この中高齢寡婦加算は、40歳を超えた女性が収入を得る機会が少なくなるリスクをフォローする意味合いがあります。遺族基礎年金の支給対象から外れ、老齢年金の支給を受けるまでの期間をカバーしてくれます。

対象は妻で、遺族厚生年金を受けていることが前提です。

子のある妻の場合

遺族厚生年金と遺族基礎年金を受けていた子のある妻で、子が18歳に達し遺族基礎年金の受給ができなくなった時に妻が40歳以上である場合。

子のいない妻の場合

夫が亡くなったとき、40歳以上65歳未満で、生計を同じくしている子がいない妻

厚生年金の場合の遺族年金額は・・

厚生年金加入者の遺族年金の受給金額の例をあげてみましょう

例えば、残された家族が

妻と子供一人の場合の例

厚生年金加入の夫(月収30万円)が亡くなり、遺族が専業主婦の妻35歳と小学生子供一人の場合を考えれみましょう。

妻と子供一人 遺族基礎年金 年額  995,200円
遺族厚生年金 年額  480,000円
合計 年額 1,475,200円 (月額 約 123,500円)
妻 ~64歳まで
子供が高校卒業後
遺族厚生年金 年額  480,000円
中高齢寡婦加算 年額 579,700円
合計 年額 1,059,700円 (月額 約 88,600円)
妻 65歳~
老齢年金受給
遺族厚生年金 年額  480,000円
老齢基礎年金 年額  772,800円
合計 年額 1,252,800円 (月額 約 105,000円)

(老齢基礎年金の計算は、妻が国民年金に加入または国民年金第3号被保険者として満額受給する場合の計算です。)

国民年金の場合 – 同じく妻と子供一人の例

次に同じ状況で国民年金に加入している自営業の夫が亡くなった場合と比較してみましょう。
国民年金に加入の夫が亡くなり、遺族が専業主婦の妻35歳と小学生子供一人の場合を考えれみましょう。

妻と子供一人 遺族基礎年金 年額  995,200円
合計 年額 995,200円 (月額 約 83,000円)
妻 ~64歳まで
子供が高校卒業後
遺族基礎年金終了 支給 0円
合計 年額 0円 (月額 0円)
妻 65歳~
老齢年金受給
老齢基礎年金 年額  772,800円
合計 年額 772,800円 (月額 約 64,400円)

(老齢基礎年金の計算は、妻が国民年金に加入し満額受給する場合の計算です。)

どうですか、国民年金と厚生年金ではずいぶん違うと感じたことと思います。しかしお国の制度ですので個人ではどうしようもないですね・・

最後に本題の生命保険にもどってのお話しになります。
年金制度に加入していれば、公的な遺族保障が受けられます。十分な保障ではありませんが最低限、上記のような金額を受取ることができます。これで不足する分を民間の生命保険で補うと考えれば、ムチャクチャ高い生命保険に入らなくても大丈夫ということがわかると思います。

それでは次へどうぞ定期保険 養老保険 終身保険の違いと特徴
保険の基本 – 保険の3つのかたちとは・・